The Blue of Cool Breeze – ver12.0

Icon

2次元空間における人物の写像及び心情的付加情報の投影技法に関する研究

Windows 版 BieAmp の Wine 上での動作について

概要

MP3 はそのファイルサイズの小ささや作成の容易さから、今や PC だけでなくポータブルオーディオやカーオーディオでも扱われるまでに普及した。しかし、発祥の地である PC におけるプレーヤは WinAmp や Windows Media Player といった重いソフトが主流で小回り性能に欠けている。

そこで、大福企画が作成・提案するのが、主要な機能を押さえながらも軽量・コンパクトに設計された MP3Player 「BieAmp」である。「BieAmp」はそもそも大福メンバーの卒業研究の友として使われてきた経緯があり、PC 上で何か他の作業をしながら音楽を楽しむことに最適化されている。それでいて、柔軟なプレイリスト登録機能、強力なワークシート型 ID3 タグエディタを搭載し、必要十分かつ快適な MP3 再生環境を提供する。

しかしながら、「BieAmp」は現在のところ Windows 版しか存在しない。PC UNIX での MP3 Player といえば XMMS が有名だが、これも WinAmp 同様重いのである。PC UNIX で「BieAmp」が使えれば、PC UNIX での音楽生活がもっと健やかなるものになるであろう。

さて、BieAmp を PC UNIX 上で利用するためにはどうすれば良いであろうか。それは、BieAmp を PC UNIX に対応させるか、PC UNIX を BieAmp に対応させるかのいずれかである。前者は、大福企画ソフトウェア支部にて現在検討中であるが、完成までは時間を要する。ならば、後者を採用すれば良いのである。

PC UNIX 上では、VMWare 等の x86 エミュレータが動作する。VMWare を使えば PC UNIX 上に仮想的に Windows をインストールすることが出来るため、BieAmp はその上で動作することが可能であろう(ただし、確認試験は行っていない)。だが、VMWare は商用ソフトウェアであり、無料の PC UNIX で無料の BieAmp を動かすための選択肢としては好ましくない。それに、いくら BieAmp が軽量コンパクトとはいえ、VMWare 自体が重量級ソフトなためあまりメリットはない。

そこで、今回は無料かつ比較的軽量な Windows プログラム実行環境 Wine を使用し、FreeBSD 上で BieAmp を動作させることを試みる。なお、これに成功した場合、FreeBSD だけでなく Linux や MacOS X などでも、Wine が動きさえすれば BieAmp の動作が期待できる。

準備

ここでは以下の環境を使用した。

・ハードウェア:SHARP Mebius PC-MM1-H1W

・OS:FreeBSD 4.7-STABLE

※ /dev/ad0s1 が Windows XP の C ドライブ(NTFS)、/dev/ad0s5 が D ドライブ(FAT32)で、

mount -t ntfs /dev/ad0s1 /winxp

mount -t msdos /dev/ad0s5 /dos

となっている。

まず、FreeBSD では Wine を利用するためにカーネルを再構築する必要がある。カーネルコンフィグファイルに、

options USER_LDT

という行を追加して再構築し、再起動しておく。

次に Wine をインストールする。http://source.winehq.org/ から tar 玉をダウンロードしてきて ./configure; make depend; make するのも良いが、ここは楽をして FreeBSD の packages からインストールする。

# pkg_add ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ports/packages/All/wine-2003.01.1

5.tgz

(ファイル名は 2003/02/21 現在での最新版)

インストールが完了したら、次に設定である。packages からインストールすると、設定ファイルのひな形が /usr/local/etc/wine.conf.sample として置かれるので、これを ~/.wine/config にコピーする。

» 今回使用した ~/.wine/config

MM1 は Windows XP プレインストールなのでこれを利用する設定となっている。Win9x 系を使う場合は、[wine] の中の “c:\WINDOWS\system32” を “c:\WINDOWS\system” とする必要がある。また、CD-ROM Drive や FDD がある場合は Wine 上から利用できるため、サンプルファイルを参考に設定しておくと便利である。今回のファイルでは「MSゴシック」などを置き換えるための設定が書かれているため、日本語のフォント名が含まれている。こういった場合、設定ファイルの文字コードは Shift JIS で無ければならないので注意が必要である。

実行

Wine を用いて BieAmp を起動するには、

% wine path/to/bieamp.exe

(実際には .exe は付けなくてもよい)

とする(図1)。デスクトップ環境は KDE3 であるが、KDE のタスクトレイにきちんと BieAmp のアイコンが入っており、クリックすればメニューが出るし、ポイントすれば曲名などのバルーンも出るのがおもしろい。

BieAmp 起動

図1 Wine 上で動く BieAmp – click to enlarge

起動したターミナルにはかなりたくさんのエラーメッセージが出るが気にしなくても良い。Wine 上で動作するプログラムからは、~/.wine/config で設定した Wine 用の仮想ドライブ上のファイルしか扱えないので注意。つまり、再生する MP3 ファイルはこの場合 /winxp/dos、あるいは自分のホームディレクトリ以下に置いておかなければならない。なお、私は /winxp 以下にある Windows XP での “マイドキュメント” フォルダに対し、~/MyDocuments からシンボリックリンクを張っているので、

% wine path/to/bieamp f:\\MyDocuments\\My\ Music\\{YMO,unicorn}

の様に読み込むフォルダを指定している。

コンテキストメニューからのプレイリストも機能する(図2)。ただし、画面の上下の大きさより長くなってしまった場合、はみ出た部分にアクセスすることは出来ない。

プレイリストメニュー

図2 プレイリストメニュー – click to enlarge

[ 設定 ] ダイアログも出る(図3)。この時表示されるサウンドミキサー名は図3の通りだが、BieAmp からのボリュームの操作はできない。

[ 設定 ] ダイアログ

図3 [ 設定 ] ダイアログ

プレイリストの編集モードも機能するが、Wine が XIM に対応していないため、日本語の入力ができない(図4)。※最近のバージョンの Wine では日本語も入力出来た気がします。

編集モード

図4 編集モード

再生は問題ないのだが、実は BieAmp を起動後、ファイルやフォルダを指定して開くことが出来ないという不具合がある。ファイルを選択しようとするとエラーダイアログが(図5)、フォルダを選択しようとすると不完全な選択ダイアログが出る(図6)。故に、上に挙げたように BieAmp の起動時に読み込ませるフォルダを指定するか、または BieAmp.ini を編集して開いたフォルダの履歴に開きたいフォルダを指定しておく必要がある。

ファイルを開く際のエラー

図5 ファイルを開く際のエラー

フォルダを開く際の不完全なダイアログ

図6 フォルダを開く際の不完全なダイアログ

また、ヘルプを開こうとすると図7の様なエラーとなるが、BieAmp を PC UNIX で使おうというレベルの人にヘルプはあまり重要でないだろう。

ヘルプ起動時のエラー

図7 ヘルプ起動時のエラー

結果

以上の様に、改善されるべき不具合もあるが、ひとまず “FreeBSD 上で BieAmp を起動し、MP3 を再生する” ことには成功した。思ったより正しく動作し、ファイルを開くのに一手間必要な以外は実用に耐えうる結果が得られた。なお、MM1 は Crusoe 867MHz と今時大したことのないスペックであるが、動作速度には全く問題が無かった。MM1 自体が軽量なため、気軽に持ち運べることが音楽により自由度を与えそうである。

おまけ

「大福のお中元 ’02」に収録された BieAmp のスペシャル版も起動してみた(図8)。あゆヘルプは正常に動作する。

BieAmp スペシャル版

図8 BieAmp スペシャル版

Leave a Reply