ブラウザの進化と共に(2/2)
Internet Explorer 3.0 をリリースした頃から、突然 Microsoft はブラウザに力を入れ始めました。
機能的な充実はもちろんですが、とにかく配布することに力を入れていたように思います。
当時の雑誌の付録 CD には必ずと言っていいほど入っていました。
そして Windows との融合が売りだった Internet Explorer 4.0 は、Windows 95 OSR2 以降や Windows 98 に組み込まれて爆発的にシェアを伸ばしました。逆に、Netscape はあまりバンドルされなくなっていきました。
Internet Explorer 3.0 の登場と時期を同じくして Netscape も無料になりました。
しかし、わざわざインストールしなければならないブラウザより、初めから入っている方が楽なのは言うまでもありません。
昔とは違い、その差をひっくり返すほどの魅力が無かった Netscape。
4.0 の出始めくらいまでは健闘したものの、次第にシェアを失っていきました。
そして今。IE ベースの拡張ブラウザや Opera 等、小気味良い使い勝手で人気を獲得しつつある第3勢力が見受けられるものの、一般的にはまだまだ「余裕の Internet Explorer」対「一部にウケるその他」という図式と言えるでしょう。Mac ではすでに Safari に移ってしまっているかもしれませんけれど。
本家 Netscape はすっかり影を潜め、その子孫である Mozilla もぱっとしません。
インターネットを世間に広めたのが Windows 95 だとすると、もう 10 年近くが経とうとしているわけです。
かつてはただ看板のように掲げられた情報を読むだけだった Web サイトも、今では動画やらゲームやらいろいろ楽しめるようになりました。
個人のサイトにしても、デザイン一つ取っても凝っているものが多くなりました。
blog ツールの普及によって誰でも簡単に見栄えの良いサイトを持てるようになりましたが、その記事そのものよりも、それを通じた交流が重視されるようになってきています。
昔ながらの町並みが、再開発によって、整然として美しく、機能的な街に変わっていくように。
Web の「風景」は、見違えるほど変わったと言えるのではないでしょうか。
思えば十分なほど物騒にもなりました。
ブラウザはそういった風景を覗く窓枠として、見た目はもちろんセキュリティ対策なんかもどんどん進化していくのでしょう。
10 年後には、ブラウザにブラインドや2重ロックがついているかもしれませんね(´ω`